
「Zoom Eventsという名前は聞いたことがあるけれど、ZoomミーティングやZoomウェビナーと何が違うのかわからない」「自社のイベントに必要なのか判断できない」とお悩みの担当者の方も多いのではないでしょうか。
Zoom Eventsは、大規模なオンラインイベントやハイブリッドイベントの運営を1つのプラットフォームで完結できるサービスです。2025年8月には製品名の変更もあったため、最新の製品体系を踏まえて理解しておくことが大切です。
本記事では、2026年最新の情報にもとづいて、Zoom Eventsの概要・ミーティングやウェビナーとの違い・費用・導入を判断する基準まで、Zoom ISVパートナーとして1,000回以上の配信現場を経験してきたAirzがわかりやすく解説します。

画像引用元:Zoom公式サイト
Zoom Eventsとは、オンラインイベント・ハイブリッドイベントの運営に必要な業務を1つにまとめて管理できるオールインワンのイベント管理プラットフォームです。
ZoomミーティングやZoomウェビナーが「配信そのもの」のツールであるのに対し、Zoom Eventsは配信に加えて以下のようなイベント運営業務全体をカバーします。
逆にいえば、「1回きりの単発ウェビナー」や「少人数の社内会議」にはオーバースペックです。この使い分けは後ほど詳しく解説します。
ネット上の解説記事の多くは「Zoom Sessions」表記のまま残っているため、情報収集の際は記事の鮮度に注意してください。なお、名称変更によって機能や料金は変わっていません。旧Zoom Sessionsをお使いだった方は、そのまま「Webinars Plus」として利用を継続できます。





年間サブスクリプションの場合、月額124.17ドル〜(出席者100名規模・年払い)が目安です。参加人数の枠が大きくなるほど料金は上がります。
出席者数課金制は、たとえば年間1,000名分の出席者クレジットを購入した場合、「1,000名のイベントを1回」でも「100名のイベントを10回」でも自由に使える仕組みです。年間の開催計画が立てやすい方式を選びましょう。
※本記事の料金情報は2026年6月時点・Zoom公式サイトの掲載内容にもとづいています。料金は為替や契約条件により変動するため、最新の正確な料金はZoom公式サイトでご確認ください。


目次
Zoom Eventsとは?誰が・何のために使うものなのか
ひとことで言うと「イベント運営を丸ごと管理できるプラットフォーム」

- 参加申込の受付・登録フォームの作成
- チケットの発行・参加者の管理
- リマインドメールの自動送信
- 複数セッションのスケジュール管理
- イベント当日の配信(ミーティング・ウェビナー両形式に対応)
- アンケート・投票の実施
- 参加データの分析・レポート出力
Zoom Eventsが活用される主なシーン
Zoom Eventsが活躍するのは、複数のセッションや大人数が関わる、規模の大きなイベントです。具体的には以下のような場面で使われています。| 利用シーン | 使われ方の例 |
| 大規模カンファレンス・展示会 | 複数の講演を同時進行し、参加者が自由にセッションを行き来する |
| 学会・シンポジウム | 複数日にわたる開催で、演題ごとのセッションを一元管理する |
| 企業の大型説明会・営業キックオフ | 基調講演+分科会の構成で社内外の大人数に届ける |
| ハイブリッドイベント | 会場参加者とオンライン参加者のチケット・受付を同じ画面で管理する |
【2026年最新】Zoomのイベント製品は現在3つ
ここで押さえておきたいのが、Zoomのイベント関連製品の最新ラインナップです。2025年8月18日に「Zoom Sessions」が「Zoom Webinars Plus」へ名称変更され、現在は以下の3製品体系になっています(出典:Zoom公式サポート)。| 製品名 | 位置づけ |
| Zoom Webinars | 1対多のシンプルな配信ツール |
| Zoom Webinars Plus(旧Zoom Sessions) | シングルセッションのイベント管理 |
| Zoom Events | マルチセッション・複数日対応の最上位イベント管理 |
Zoom Meetings・Zoom Webinarsとの違い
「うちはZoomミーティングでイベントをやっているけど、何が違うの?」という疑問に答えるために、まず4製品の違いを表で整理します。
4製品の違いがわかる比較表
| 項目 | Zoom Meetings | Zoom Webinars | Zoom Webinars Plus | Zoom Events |
| 主な用途 | 会議・打ち合わせ | 1対多の配信 | ウェビナーの高度な運営 | イベント全体の管理 |
| 双方向性 | 全員が発言可能 | 視聴のみ(ホスト側が許可した人のみ発言) | 視聴のみ+演出機能 | 両形式を使い分け可能 |
| 複数セッション管理 | × | × | ×(単一セッション) | ◎(同時進行・複数日対応) |
| 参加登録・チケット管理 | △(簡易登録のみ) | △(登録フォームのみ) | ◎ | ◎ |
| イベントロビー | × | × | ○ | ◎ |
| Expo(バーチャル展示会) | × | × | × | ◎ |
| ハイブリッドイベント管理 | × | × | × | ◎ |
| 費用感 | 無料〜 | 比較的安価 | 中程度 | 高め |
決定的な違いは「セッション単位」か「イベント単位」か
表の違いを一言でまとめると、MeetingsとWebinarsは「1つの配信枠」を作るツール、Zoom Eventsは「イベント全体」を管理するツールです。 たとえば3つの講演がある半日のオンラインカンファレンスを開催する場合、Zoomウェビナーだけで運営しようとすると、講演ごとに3つのウェビナーを作成し、3つの参加URLを発行し、それぞれの申込・リマインド・出席データを別々に管理することになります。 Zoom Eventsなら、3つの講演を「1つのイベント」としてまとめて作成でき、参加者への案内も管理もイベント単位で完結します。ロビー機能:参加者は1つのURLからすべてのセッションへ
参加者側の体験で最も大きく変わるのがイベントロビーです。 Zoom Eventsで発行される参加URLは1つだけ。参加者がアクセスすると、まず「ロビー」と呼ばれる画面に入ります。ロビーには開催中・開催予定のセッション一覧が表示され、参加者は聞きたいセッションを選んでワンクリックで入退室できます。 複数URLの管理で起こりがちな「次のセッションのURLはどこ?」「メールが見つからない」という、運営側にも参加者にもストレスの大きい問題がなくなります。終了したセッションの録画もロビー上で視聴できるため、見逃し対応も自動化できます。Zoom Eventsを使うと何が楽になるのか
機能の違いだけではイメージしづらいので、イベント運営業務がどう変わるかをBefore/Afterで見てみましょう。
【Before】これまでのオンラインイベント運営
複数セッションのイベントを従来の方法で運営する場合、業務は次のように分散しがちです。- 申込受付:Googleフォームや外部の申込サービスで作成
- 参加URL案内:セッションごとのZoom URLをメールで個別送付
- リマインド:開催前日に手動でメール配信
- 当日受付:参加者リストと照合しながら手動確認
- アンケート:別のフォームを作成して終了後に送付
- 集計・分析:各ツールからデータを取り出して手作業で統合
【After】Zoom Eventsならすべて1つで完結
Zoom Eventsでは、上記の業務がすべて1つのプラットフォーム内で完結します。 申込受付はイベントページから直接行われ、登録者には参加案内・リマインドが自動送信されます。当日は1つのURLからロビー経由で各セッションに参加。アンケートや投票もイベント内で実施でき、出席状況・視聴データ・回答結果はダッシュボードに自動集計されます。具体的に楽になること5つ

- URL管理が1本化される:セッションが何個あっても参加URLは1つ。案内ミス・問い合わせ対応が激減します
- リマインドが自動化される:登録者へのメール送信を手動で行う必要がなくなります
- 参加データが自動集計される:誰がどのセッションに何分参加したかまで自動で記録されます
- アーカイブ公開が自動化される:終了したセッションの録画がロビーにそのまま掲載されます
- 会場受付もQRコードで完結する:ハイブリッド開催では、会場参加者のチェックインをQRコードで管理できます

Zoom Eventsの主な機能
ここでは、Zoom Eventsを特徴づける代表的な機能を紹介します。イベントロビー
参加者が最初にアクセスする、イベントの「玄関」となる画面です。セッション一覧の確認・参加、登壇者やスポンサー情報の閲覧、参加者同士のチャットによるネットワーキングができます。チケット発行・参加登録管理
無料・有料のチケットを複数種類発行できます。発行数の上限設定、特定ドメインのメールアドレスのみに限定する制限、チケットごとに参加できるセッションの指定など、細かな権限管理が可能です。登録フォームにはオリジナルの質問を追加でき、申込時点で参加者情報を収集できます。Expo(バーチャル展示会)
仮想の展示会フロアにブースを設置できる機能です。参加者はフロアを自由に回遊し、興味のあるブースで出展者と直接コミュニケーションが取れます。オンライン展示会や、カンファレンスのスポンサーブースとして活用されています。ハイブリッドイベント機能
会場参加者とオンライン参加者のチケットを、同じ管理画面から発行・管理できる機能です。会場参加者の当日受付はQRコードによるチェックインに対応しており、紙の参加者リストと照合する手間がなくなります。会場とオンラインの出席データも統合して集計されるため、ハイブリッドイベントの「参加者管理が二重になる」問題を解消できます。 このように、Zoom Eventsは会場とオンラインのチケットを一元管理できるため、ハイブリッドイベントの受付管理は大きく効率化できます。 ただし注意したいのは、Zoom Eventsが担うのはあくまで管理側の機能だという点です。会場のカメラ・マイク・スイッチャーといった配信機材の構成や、会場音声をオンラインへクリアに届ける音響設計、当日の映像切り替えオペレーションは、Zoom Eventsとは別に準備する必要があります。 実際のハイブリッドイベントでは「ツールの設定は完璧だったのに、会場の音声がオンライン側に届かなかった」というトラブルが起こりがちです。会場側の配信体制に不安がある場合は、機材・スタッフ・当日運営まで一貫して対応できる配信会社の活用が安心です。 【現場のプロから一言】 「ハイブリッドイベントの相談で意外と見落とされているのが、Zoom Eventsの設定と会場の配信体制は別物だという点です。Zoom Events側の管理画面がきれいに整っていても、会場のマイクからオンラインに送る音声経路が設計されていなければ、視聴者には何も届きません。1,000回以上の現場で言えるのは、ハイブリッドの成否は『ツール3割・会場の音響設計7割』だということです。」 (株式会社Airz 小堀) ▼ハイブリッドイベントの配信体制についてのご相談はこちら
分析・レポート
イベントの登録者数、チケット発行数、セッションごとの出席状況、アンケート・投票の結果などをダッシュボードで確認できます。データはCSVファイルとして出力できるため、社内報告やマーケティング施策への活用もスムーズです。Zoom Eventsの費用
2つの料金体系
Zoom Eventsの料金体系は大きく2つに分かれます。| 料金体系 | 仕組み | 向いているケース |
| 年間サブスクリプション | 最大参加人数の枠を年単位で契約 | 一定規模のイベントを定期的に開催する |
| 出席者数課金制(Pay Per Attendee) | 12ヶ月間の総出席者数で契約し、超過分は追加課金 | イベントごとに規模が変動する |
前提条件に注意:Zoom Workplace有料プランが必要
見落としがちな注意点として、Zoom Eventsの利用にはZoom Workplaceの有料プラン(プロ以上)の契約が前提となります。Zoom Eventsのライセンス費用に加えて、ベースとなる有料プランの費用も必要になる点を、予算検討の際に含めておきましょう。どちらの課金方式を選ぶべきか
判断の軸は「年間のイベント開催回数と規模が読めるかどうか」です。- 規模の近いイベントを定期開催する → 年間サブスクリプション
- 開催回数や規模が読めない、単発の大型イベントがある → 出席者数課金制
Zoom Eventsの導入を判断する基準
ここまでの内容を踏まえて、「自社に必要かどうか」を判断する基準を整理します。
Zoom Eventsが向いているケース
以下のいずれかに当てはまる場合、Zoom Eventsの導入価値は高いといえます。- 複数セッション・複数日にわたるイベントを開催する
- 参加者が1,000名を超える大規模イベントを予定している
- 会場とオンラインを組み合わせたハイブリッド開催をしたい
- 申込受付から参加データ分析までを1つのツールで完結させたい
- バーチャル展示会やスポンサーブースを設置したい
Webinars(またはWebinars Plus)で十分なケース
逆に、以下のケースではZoom Eventsはオーバースペックです。- 単発のウェビナーを不定期に開催する程度
- セッションは常に1つだけ
- 参加者は数十〜数百名規模
- 申込管理は既存のツールで問題なく回っている
判断の目安
シンプルにまとめると、判断フローは次の通りです。- 複数セッションまたは複数日開催か? → YESならZoom Events
- ハイブリッド開催またはExpoが必要か? → YESならZoom Events
- 外部ツールなしで、イベントページや申込管理もZoomに一本化したいか? → YESならZoom Webinars Plus
- 配信はZoom、申込管理はPeatixなど外部ツールとの併用で十分か? → YESならZoom Webinars
導入前に知っておきたい注意点
最後に、実際の導入・運用でつまずきやすいポイントを3つ紹介します。設定項目が多く、初回構築には専門知識が必要
Zoom Eventsはできることが多い分、設定項目も多岐にわたります。イベントの基本設定、セッションの登録、チケットの権限設計、登録フォームのカスタマイズ、メール文面の設定など、初めて触る場合は構築だけで相当な工数がかかります。特にチケットごとのアクセス権限の設計は複雑で、設定ミスがあると「参加者がセッションに入れない」という当日トラブルに直結します。本番前のテクニカルリハーサルが必須
複数セッションを同時進行するイベントでは、セッションの切り替え、登壇者の入退室、画面共有や音声の確認など、当日の動きを事前に検証しておくことが不可欠です。本番と同じ環境でのテクニカルリハーサル(本番同様の設定・機材・人員で行う通し確認)を必ず実施しましょう。 【現場のプロから一言】 「Zoom Eventsの当日トラブルで最も多いのは、チケットの権限設定ミスによる『登壇者がセッションに入れない』というケースです。これはリハーサルを本番と同じチケット・同じアカウントで行えば必ず事前に発見できます。リハーサルで重要なのは進行の練習ではなく、本番とまったく同じ条件を再現することです。」 (株式会社Airz 小堀)ハイブリッド開催では会場側の配信体制が別途必要
繰り返しになりますが、Zoom Eventsはイベントの「管理」を担うツールであり、会場の映像・音響を高品質に配信する仕組みは別問題です。カメラの台数と配置、マイクと音響の設計、配信用の安定した回線(上り20Mbps以上が目安)、当日のオペレーションスタッフは、ハイブリッド開催において別途確保する必要があります。 なお、以下に当てはまる場合は、ツールの導入だけでなく配信支援の活用も検討した方が安全です。- 参加者500名以上の大規模イベント
- 会場とオンラインを組み合わせたハイブリッド開催
- 絶対に失敗できない式典・カンファレンス
- 社内にZoom Eventsの設定・運用経験者がいない



